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時に廃業という選択肢を示すことも必要:日本経済新聞「中小企業の『終活』に伴走」を読んで

2019/04/6  カテゴリ:雑感

4/4(木)日本経済新聞の「中小企業の『終活』に伴走」と題した記事で、「円滑な店じまいは社会にとっても有益。経営者は廃業も選択肢の一つとして知ってほしい」と話す栃木県よろず支援拠点のチーフコーディネーター矢口季男氏の言葉が印象的だった。
■2019/4/4(木)日本経済新聞「中小企業の『終活』に伴走」
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO43290980T00C19A4L60000/

 

私の実家は2006年に廃業した。有限会社の酒小売店だった。有限会社といっても家族経営の田舎の酒屋だが。

 

酒小売業界は人口基準や距離基準などの規制がなくなり、今ではどこででも酒が買えるようになった。このような客観情勢の変化を見て、私の両親は酒屋として商売を続けていくのは難しいと判断し、廃業に向けて準備を進めた。

 

廃業時に借入れはなく、在庫はすべてお客様が買ってくれた。お陰さまで両親は健在で、悠々自適な生活を送られていただいている。廃業して12年が経つが、4代目だった母はこの選択が正しかったと口にすることがある。

 

事業承継の相談を受けていると、経営体制と財務状態、業界の今後の動向などから、事業を続けるよりも円滑な廃業に向けて取り組んだほうがよい会社がある。
前出の記事には、「廃業支援という取り組みは、国を挙げて事業承継に力を入れる時代に逆行するようにも映る」とある。対して矢口氏は「ずるずると経営を続けた揚げ句、突然死する方が社会的にマイナス」との信念を持っているということであった。

 

「会社を続けたい」「子どもに継がせたい」という経営者の思いはよく理解できる。しかしながら、中小企業診断士等の支援者は、そのような経営者の思いをしっかりと受け止めつつ、会社の経営状態と外部環境の変化を冷静に見て、時には廃業という選択肢を示さなければならない(もちろん事業再生の可能性も検討する必要がある)。記事にあるように、たしかに廃業支援は事業承継支援に力を入れる時代に逆行するように映るかもしれない。しかし、地域社会、そして経営者への影響を踏まえれば、それが望ましい道であるときもある。この記事を読み、あらためてそう思った次第である。


 

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