事業承継フォーラム2012【第5話・最終回】事業承継も起業である(第三者承継の成功事例)
2012/11/11 カテゴリ:事業承継
こんばんは。コアコンサルティングの土田正憲です。
少し空きましたが、今日も事業承継フォーラム2012について書いてきたいと思います。
パネルディスカッション2の2部は、ゴルフ用品の卸売販売業である(株)ベンソン(福岡市)についてです。
同社は、起業希望者だった現社長の野村氏が社長となり、第三者承継を成功させました。
ディスカッションでは、下記の3点を第三者承継のポイントとしてあげています。
●ポイント1
十分な内部留保と金融機関との良好な関係を構築していた。
●ポイント2
会社の存続と従業員の雇用の確保を最優先としていた。退職金や保有株式の高価買取など前社長のエゴを排除。また、前社長の家族もその判断を理解していた。
●ポイント3
最低1年間は社風を引継ぎ、社員にも無理をさせない。その一方で、新たな人材や他企業とのアライアンス等を見据えた事業戦略が立てたられていた。前社長は1年間のみ取締役会長として経営をサポート。
この3つのポイントは第三者承継はもちろんのこと、親族内承継においても参考になるものです。ただし、このケースの成功要因はもう1つあります。それは、優秀な支援者がいたことです。これがなければ第三者承継の実現はありません。
事業を引き継いだ野村氏は、「事業承継も起業である」とコメントされていました。前回のブログで書いた蒲原屋もそうですが、起業希望者とのマッチングも第三者承継を成功させるポイントであり、我が国における事業承継問題の解決と起業促進に寄与する方策の1つだと考えます。今後はこのような事業承継支援と起業支援がまずます重要になってくるでしょう。
さて、今回のフォーラムは、事業承継支援者にとっても参考になることが多々ありました。
そして気がつけば今日は11月11日。フォーラムが開催されたのは10月12日ですので、このネタで約1か月引っ張ったことになります。